後見人なしで相続が完了しました
相談したきっかけ
主人の兄(60代)が急死しました。義兄は生涯独身で妻も子もおりません。義兄は実家で90歳過ぎの義母と二人暮らし。年相応に衰えてきた義母の世話をしていただき、主人と私はだいぶ助かっておりました。
義父は既に他界、亡き義兄の相続人は義母1人です。義母は脳梗塞の後遺症で、意思疎通はできますが入院中で、動き回れる状態ではありません。私の主人も病気がちで、相続手続きに動けるのは私だけです。義兄への恩返しも含め、やってみようと考え、義兄から義母への相続をどうしたらいいか、弁護士や税理士に相談したところ、異口同音に「後見人をつけるほかない」と言われました。でも、近頃の報道を通じ、私自身、後見制度の利用には懐疑的になっており、
・絶対に後見人をつけないといけないのか
・自分が義母の後見人になれるのか
という疑問を抱き『後見お悩み相談室』にメールで相談しました。
亡義兄の遺産は大きく3つで、それぞれ、預貯金、不動産、自動車の名義変更、でした。
すぐに相続しなくてもよいのかもしれませんが、実家は空家状態、仏壇や義兄の遺品もそのままとなっています。後見の杜のHPで、後見以外の方法が取れるケースがあることを知って、我が家の場合はどうなのか相談しました。
後見の杜の「相談対応」を受けた感想
後見人なしで相続が完了しました。
義母は認知症の診断を受けていますが、程度は軽度でした。自分のメインバンクがどこか、なども理解しています。後見の杜から「高齢者だから」「後遺症で入院しているから」ということのみで諦めず、義母の意思を踏まえ、義母に頼まれる形でいろいろやってみたらどうかとアドバイスされました。義母を尊重してくれる姿勢が言葉の端々から感じ取れました。
勇気が出たので、相続手続きに関し、義母から委任状を書いてもらい、手続きに必要な代理権や相続関係を証明する書類を揃えて、銀行や法務局に出かけました。少しドキドキしましたが預貯金と不動産名義変更は難なく完了!車も母名義に変更してから売却しました。一部はプロにお願いしましたが、ひとつずつ粛々と片付けていったら、約1か月ですべての手続きを終えることができました。戸籍を取ったら聞いたことのない申請がいてびっくりしましたが、相続には関係ありませんでした。
そのような作業を経て、義兄の遺産をすべて義母に移したうえで、義母から私に、今後の預貯金の出し入れなどのために財産管理を委任してもらい、現在は義母の代わりに銀行などに行っています。
このような経験を経て、改めて嫁として、義母を最期まで見届ける気持ちになることができました。義母の気持ちを尊重し、できるだけ後見制度を使わずに、家族のことは家族でやっていこうと思っています。
最近のお悩みの傾向について
解説:一般社団法人「後見の杜」宮内康二代表
家族に弁護士等の後見人がついている方からのお悩みの内容で多いのが次の3つです。
- 家族の反対を押し切って自治体が強引に後見人を付ける手続きをした
- 家裁やリーガルサポートに後見人の文句をいっても取り扱わない
- 後見制度そのものから離れる方法はないのか
ご自分が家族の後見人をされている方からのお悩みの内容で多いのが次の3つです。
- 家庭裁判所から後見制度支援信託か監督人を選べといわれ当惑している
- 監督人から不当に文句を言われ、高額な報酬を請求されて困る
- 財産管理をする後見人がつき被後見人の通帳を出せとせがんでくる
後見人をつけるかご検討中の方からのお悩みの内容で多いのが次の3つです。
- 後見人って大丈夫なの?
- 後見制度以外の方法はないの?
- 家族が後見人になるにはどうしたらいいの?
私たちは、後見される側やそのご家族の立場にたって、
一つ一つの後見事例の適切な運用をサポートします。
複雑な後見制度を紐解き、その運用を改善・向上していきましょう。