2019.02.25
後見制度の経済効果は16%以下
後見は眠ったお金を動かす装置
後見は眠ったお金を動かす装置。その経済効果はどれほどでしょうか?
1兆円の効果
後見人がつくことで
①20万件×年間生活費360万円=7,200億円
②不動産取引1万件×2,000万円=2,000億円
ざっと1兆円が動いています。
2千億円のコスト
①後見人報酬 20万件×60万円=1,200億円
②後見監督人報酬 5万件×40万円=200億円
③家裁の費用 50家裁×30人×2,000万円=300億円
ざっと2,000億円です。
動かない84%以上
被後見人の財産を3,000万円×20万件=6兆円とすると5兆円は動いていない現状です(つまり5/6=約16%)。
①の生活費や医療介護費用は後見がなくても動くことが多いので、極端に言えば、②不動産の2000億円のため2000億円のコストがかかっているとも考えられます。
アメリカの後見人は被後見人の株の運用もするそうです。日本でもそうなれば後見の効果はもっと増えるでしょう。
認知症社会日本!
現在の5倍の100万人が後見制度を利用したとして、1兆円かけて5兆円を動かすことになります。これをどう見るか?どのみち、いわゆる認知症200兆円の活性化には到底届きません。
世界に冠たる認知症国家日本。自己責任や私的自治の限界を認め、後見に代わる工夫を創造しないと割りに合わないどころか、殺伐とした世の中になるような気がします。悪いのは認知症になることではなく考え方や仕組みを変えないことなのですから。