公証役場に「認知症の方は任意後見はできない」と言われました
相談したきっかけ
夫(60代)はアルツハイマー型認知症です。まだ症状が軽いうちに妻の私が受任者となって任意後見契約を結びたいと思ったのですが、公証役場に電話をしたら、会ったこともない事務の方に電話口で「認知症の方は任意後見はできない」と言われて驚きました。
夫は5年前にアルツハイマー型認知症を発症しました。この先の長い介護を考え、夫の財産管理をしなければならないと思って公証役場に電話をしました。
夫は認知症ですが症状は軽度で、お金や介護のことを私に頼みたいと意思表示はできると説明したら「それならば…」と何とか相談日の予約を取らせてもらえました。
ところが公証人からは「即効型」でなければ引き受けられないと言われてしまいました。「即効型」ならやると言うのです。私たちは所謂「将来型」を望んでいたので再び驚きました。
即効型であれ将来型であれ契約することに違いはありません。公証人は医師の診断書を見たわけでもなく、初対面の夫と会話をして契約はできるとの心証を得たから「即効型」と言ったのだと思います。
なのにそのような条件を出されることに納得できませんでした。
後見の杜の「相談対応」を受けた感想
私たちは自宅から一番近い公証役場を選んで行ったのですが、公証役場はどこに行ってもいいこと、公証人はそれぞれ個性があることを教えていただきました。
少し足を延ばして他所の公証役場に行ったら、公証人は夫に対して和やかにゆっくり説明をしてくれて、夫なりに理解したことを確認して契約を調えてくださいました。
「役場」というからには役所のようにどこも一律の対応をするものと思っていたのですが、公証人によってこれほど人の見方やものの考え方が違うとは驚きでした。
任意後見の知識や経験がなければ、電話口で「できない」と言われた時点で諦めてしまう方もいると思います。せめて「本人に会ってみてから」とはできないものなのでしょうか。
知らないことは恐ろしいです。私は、後見の杜の代表の講演で様々な実例を聞いていたし、相談して、頑張る気持ちになれました。
最近のお悩みの傾向について
解説:一般社団法人「後見の杜」宮内康二代表
家族に弁護士等の後見人がついている方からのお悩みの内容で多いのが次の3つです。
- 家族の反対を押し切って自治体が強引に後見人を付ける手続きをした
- 家裁やリーガルサポートに後見人の文句をいっても取り扱わない
- 後見制度そのものから離れる方法はないのか
ご自分が家族の後見人をされている方からのお悩みの内容で多いのが次の3つです。
- 家庭裁判所から後見制度支援信託か監督人を選べといわれ当惑している
- 監督人から不当に文句を言われ、高額な報酬を請求されて困る
- 財産管理をする後見人がつき被後見人の通帳を出せとせがんでくる
後見人をつけるかご検討中の方からのお悩みの内容で多いのが次の3つです。
- 後見人って大丈夫なの?
- 後見制度以外の方法はないの?
- 家族が後見人になるにはどうしたらいいの?
私たちは、後見される側やそのご家族の立場にたって、
一つ一つの後見事例の適切な運用をサポートします。
複雑な後見制度を紐解き、その運用を改善・向上していきましょう。