2017.12.16

任意後見が無し崩しにされた悲しく悔しい実例

「任意後見監督人選任」の申し立てを拒み、「法定後見開始」の申し立てを指示した家庭裁判所の職員がいました。

また、その指示に従って、「任意後見契約」を発効させず、「法定後見開始」の申し立てをした、任意後見契約の受任者(職業後見人)もいました。

結果的に、任意後見を頼んだ女性には見ず知らずの弁護士が成年後見人になりました。その後見人に払う費用も、任意後見契約で決めていた額の倍以上となりました。

「家裁が決める”法定後見”より、自分で決める”任意後見”の方が自由度が高くてよい 」というのは後見業界の定説です。しかし、委任者の認知症が重くなった時点で、任意後見契約が反故にされることを誰が予想したでしょうか。まさに後出しジャンケン、勝ち目はありません。何のための任意後見契約だったのか、悲しく悔しい事例として私の頭からいまだに離れません。

1. 家庭裁判所の職員の発言

その家庭裁判所の職員は、ある任意後見契約の受任者である職業後見人から、任意後見監督人選任の申し立てに関する相談を受けた際、「委任者のご主人が亡くなって、委任者の財産が増えたので、あなたの資格(行政書士)で任意後見人を務めるのは不適当と思いますので、法定後見に切り替えて下さい」とその受任者に言ったそうです。

この発言はあり得ないでしょう。

委任者と受任者の気持ちを踏みにじるものであり、また、司法書士や弁護士への利益誘導に他ならないからです。このような職員は配置換えか辞職すべきだと思います。

このようなあり得ない発言は全国の家庭裁判所で頻繁に起きています。最近の相談者は家庭裁判所との電話のやり取りを録音していますので「言っていない」とは言えません。家庭裁判所の職員は、電話や面談だとあれこれ言いますが、「それを書面でください」というと書面は出しませんし、言を翻すこともしばしばです。なるほど家庭裁判所の職員を信じられないという相談者が増えるわけですね。一般の方は、言った言わないにならないように、家庭裁判所とのやりとりは常に録音することをお勧めします。

2. 職業後見人の発言と思惑

家庭裁判所に言われたからということで、任意後見契約の依頼者との約束を果たさず、やすやすと法定後見に切り替えた行政書士に対して「そこでくじけてどうすんの」と話したことを覚えています。

その人は「ほかの案件もあるので家裁には逆らえない」と言ったので、なお呆れましたが、これが実態なのでしょう。家庭裁判所に営業し、家庭裁判所から仕事をもらっている職業後見人の本音なのです。なるほど、後見という官製ビジネスに職業後見人がすり寄っていると揶揄されるわけですね。

お客様を見ないで家庭裁判所を見るわけですから、後見の質が向上するわけありません。このような士業は廃業までしなくてもいいですが、後見業界からは即刻撤退すべきと思います。

3. 任意後見を頼んだ女性の様子

その任意後見契約の委任者である女性は、とても品が良い方でした。当時86歳で、身なりもきれいで、金縁の眼鏡も重みを持って輝いていました。その親戚に招かれ私が会った時は老人ホームに入所されていました。初対面の私に対してニコニコされるけど、お金のことはそもそも話したくない感じで、話しても理解できない状態でした。

お金や後見の話をほとんどできない女性のご様子を見て、「この時のために任意後見をやっていたのに…。この方の当時の意思は完全に揉み消されてしまった。何が任意後見だ!」と悲しく悔しい思いをしたことを今でも思います。

お金だけを見ても、任意後見契約当時、その士業に払った任意後見契約書作成費用15万円と、公証費用4万円は、完全に無駄となりました。

任意後見契約では月3万円の予定だった後見人費用も、倍以上の月7万円ほどとなり、見ず知らずの弁護士後見人に渡っています。これが女性が生きている限り続くわけですからなるほど理不尽ですよね。

まとめ

「家裁が決める法定後見より、自分で決める任意後見の方が自由度が高くてよい 」というのは後見業界の定説です。

しかし、用意していた任意後見契約を始めようという段階になって、家庭裁判所の指示と、職業後見人の裏切りで、任意後見契約を反故にされ、見ず知らずの人が自分の後見人になった高齢女性の実例があります。

任意後見をやってくれると言った人を見張る人を用意しておかないと、任意後見契約も怖くてやっていられない現状が後見業界に実存するわけです。

家庭裁判所のいうことも、職業後見人のいうことも信じられない人が増えています。言った言わないにならないように、家庭裁判所や職業後見人とのやり取りは録音しておくことをお勧めします。

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